第十三語「似て非なるもの」

今回は、クイズです。この一語大福のコンセプトでもある「暇つぶしとして読む」にはいいかもしれません。クイズは全部で5問です。二つの言葉の違いを答えてください。

第一問:「首相」と「総理大臣」
第二問:「警察庁」と「警視庁」
第三問:「カフェオレ」と「カフェラテ」
第四問:「僧侶」と「住職」
第五問:「非課税」と「不課税」










では答えです。

第一問:「総理大臣」と「内閣」
・「首相」:議院内閣制における内閣の主張。マスコミにおいて書き言葉として使われる。
・「総理大臣」:内閣総理大臣の略称。日本の内閣の首長で「日本の首相」を指す。マスコミにおいて話し言葉として使われる。
※「内閣総理大臣」は6文字なので、スペースの関係で活字では2文字の「首相」が使われますが、テレビでは字幕で「岸田首相」と出ていても「きしだそうり」と読みます。例えば、日英首脳会談が行われた場合、「岸田首相とイギリスのスナク首相は・・・」は「きしだそうりとイギリスのスナクしゅしょうは・・・」と読まれます。


第二問:「警察庁」と「警視庁」
・「警察庁」:日本の警察機関。都道府県の警察を統括する。トップは警察庁長官。
・「警視庁」:首都である東京都を管轄する警察機関。トップは警視総監。
※東京都以外の警察は、「神奈川県警」「大阪府警」などと言いますが、東京都は「東京都警」とは言いません。これは他の道府県警とは成立の歴史的背景が違う事によります。道府県警のトップは「本部長」と言います。


第三問:「カフェオレ」と「カフェラテ」
・「カフェオレ」:ドリップコーヒーに温めたミルクを加えたもの。コーヒーとミルクの比率は1:1。フランス語。
・「カフェラテ」:エスプレッソに蒸気で温めたミルクを加えたもの。エスプレッソとミルクの比率は1:4。イタリア語。
※エスプレッソとは、高圧力をかけて短時間で抽出したコーヒーで、ドリップコーヒーに比べて濃厚で苦味があります。ちなみに、カフェラテに泡立てたミルクを多く加えたものが「カプチーノ」です。


第四問:「僧侶」と「住職」
・「僧侶」:仏教の修行者。または、仏教を広め伝える者。お坊さん。
・「住職」:そのお寺で長となる僧侶。
※住職は役職名ですので、お坊さんを誰も彼も「住職」と呼ぶのは間違いです(会社員を「社長」と呼ぶようなものです)。役職名ですので「住職様」というのも適切ではありません。


第五問:「非課税」と「不課税」
・「非課税」:本来課税されるべき事が免除される事。
・「不課税」:本来より課税されない事。課税されてはならない事。
※今回のクイズの趣旨は、『第十語「坊主丸儲け」前編』にて説明ができなかった非課税と不課税の違いについてです。宗教法人が「非課税」ではなく「不課税」なのは、ここにあります。残念ながら、宗教関係者であっても「宗教法人は非課税」という言い方をする人がいますが間違いです。しかも、非課税という言葉を使ってしまうと「では課税しろ」となってしまいます。詳細については『第十語「坊主丸儲け」前編』を御一読ください。


みなさんはいくつわかったでしょうか?